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 心の窓 51.お子様ランチ  
記事タグこころ

お子様ランチ



ある講演会で聞いた話です。
有名なお話ですので、ご存知の方も多いかもしれませんがお読みくださいね。

東京ディズニーランドではいろいろなエピソードがあります。

ある若夫婦がディズニーランドに来ました。
そして、レストランに入りキャストに「お子様ランチを二つください」と注文をしました。

キャストは「お子様ランチでございますか?」と聞き返し、うなづく若夫婦に
「まことに申し訳ございませんが、当ディズニーランドでは
お子様ランチは9歳以下のお子様にしかお出しできない規則になっております。
大人の方には量も満足いただけないかと思いますので、どうぞ他のお料理からご注文ください」と話すと、

「分かりました。そういう規則でしたら仕方ありません・・・」
と若夫婦はガックリと肩を落としました。

その姿をみたキャストは、落胆した様子の夫婦の様子を見て、
「なにかお子様ランチを注文される理由があるのですか?」と尋ねました。

すると、このように若夫婦は話しました。
「私たち夫婦にはなかなか子供に恵まれませんでした。
やっと女の子が生まれ喜んでいましたが、
子供は病気がちで、一才を迎えることなく亡くなってしまいました。

私たちは毎日泣いて過ごしてきましたが、これではいけないと思い、
きっとあの子が生きていたなら、このディズニーランドに遊びにきただろうな
と思って一周忌のこの時期に来たんです。

入り口でパンフレットが置いてあって、
このレストランでお子様ランチがあると書いてあったので、
きっと子供と一緒ならここでお子様ランチを食べただろうな、と思って入ったのです。
でも、規則でダメでしたら仕方がありません。他のものにします・・・」

これを聞いたキャストは即座に、
「分かりました。お子様ランチをお出ししましょう!
ただ、この席はお二人用のカップル席です。
ご家族の席はあちらです。どうぞご案内します。あちらの席へどうぞ!」
そして、家族席に案内したキャストは座席の一つを子供用の椅子に交換しました。

しばらくして届けられたお子様ランチは3つ。
「えっ? 注文したのは2つですが」とゲストが話すと、
「3つ目のお子様ランチはディスニーランドからのプレゼントです。
どうぞ、お楽しみください!」といって、お子様ランチを子供の席にそっとおいたのです。
夫婦はもう涙をいっぱい目にためて、そのキャストにお礼をいいました。


このキャストの行為は規則違反ではありますが、でもお客様は感動して涙を流して喜んでいます。
普通の会社なら、規則違反をしたと責められるかもしれません。
しかしディズニーランドでは、「良くやった!」と全員から拍手を浴びるのです。

規則のための規則ではありません。ディニーランドにきてくださったゲストが、
悲しい気持ちで帰って欲しくない、という当たり前の“人間愛”がここにはあり、そういう社員教育をしているからこそ、こういう感動的な出来事があったのだと私は思います。本当に素晴らしいことだと思います。

ディズニーランドでは他にもこのような感動秘話があるそうですよ。

レストランでお食事をすませたあと、ゲストが真っ青な顔をして戻ってきました。
トレイに結婚指輪を置いたまま出てしまったことに気が付いたのです。
しかし、すでにゴミ箱に行ったあとでした。

それを聞いた、若い女性キャストが「分かりました。探してみましょう!」と
いきなりゴミの中を探し始めたのです。

しかしそのゴミ箱は、さらに大きなゴミ収集所に運ばれたあとでした。
その女性キャストは、そこへ行きなんとその大きなゴミの山の中へもぐっていったのです。
綺麗な服や髪もドロドロです。それを見た周りのキャストも手伝い始めました。
でも、巨大なゴミの山のなかから指輪をさがすなんて、砂浜で落としたコンタクトレンズを探すようなものです。
ゲストは、「もういいです。私の不注意ですし、十分探していただきましたからもうあきらめます」
と話していた矢先、なんと3時間後、そのゴミの山から結婚指輪が発見されました。

ゲストはもう大感激です。

めんどうくさいと思うこと、相手の予想をはるかに超える行動、こういった事を心からできるということが、人を感動させ人間を成長させるということですね。

先日、銀行の人が私のところにきて話していました。
銀行で出世して支店長とかになる人はすぐ分かるそうです。
たとえば、コピーをとっていて紙がなくなった場合。
トレイの下にすこしだけ予備があって、それを補充すれば自分のコピー枚数には足りると思い、
それだけを補充する人。
かたや、後の人のために倉庫までコピー用紙を取りに行って、たっぷりと補充をしておく人。
出世をする人は、間違いなく後者のタイプの人だそうですよ。

つまり、人にほめられるために行動して自慢するのではなく、
だれも見ていなくても、後の人が困らないようにしておくという思いやりですね。
これが「徳を積む」という行為で、だれも見ていなくても、
きっと神様や仏様が見ている、という心がある人が、最後は認められるということですね。

「ありがとうと言われる生き方」を私も実践していきたいと思います。

2006.11



 青空(2007/01/04 02:32)
 ボロボロ涙をこぼして読んでしまいました。
これが小説やドラマの1シーンではなくて、実話だということに、人間としての誇りを取り戻した気分です。
素敵なお話、ありがとうございました。
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