ピアノ選び体験記④ by らみい (音楽大好きママ「らみい」さんと共同企画)
営業サンとの攻防
らみいの落ち込んだメールに、まーちゃんからすぐさま返信メール
昔のB社ピアノは故障が多いのは事実です。
故障といっても湿気の極端に多いところに置いてあるピアノの場合で、
ピアノアクションの木とフェルトの部分が膨らんでひっかかってしまうのです。
そこでB社は音やタッチには全く影響のないアクション部品の一部を
故障しにくいABS樹脂を使い始めました。
ABS樹脂は非常に高価はプラスチックで、木材加工と同じくらい材料費がかかり
決して経費削減ではありません。(と調律学校で習いました)。加工は楽ですが・・・。
それによって故障は格段に減るようになりました。
一時期、内部に使っていたフェルトが膨らんでアクションが動きにくくなる故障が
出た事もありますが、これもすぐ改善されました。
なにより樹脂は寿命が木よりも格段に長く、耐久性がバツグンなのです。
これらは、私としては技術の進歩だと思っています。
A社系列の人はここをついてくることが多いのは事実です。
先入観が入ってしまうと正しい判断が出来なくなると思いますが、
「要は自分が気に入ったピアノを買う」という姿勢さえ崩さなければ
ぴったりのピアノに巡り会えると思いますよ。
あー、まーちゃんありがとうございます。まーちゃんを知らなかったら、
この時点でB社のピアノとはさようならー(^^;ということになっていたかもしれません。
と、いうわけで気をとりなおして、ピアノ選びに再度取り組むのでした。
さて、B社の営業サンから電話です。
この人は「ルー大柴」に似ているのでルーさんと呼ばせていただきます。
「どうですかー、この間弾いてみて。」
「そうですねー。なんだかお店にあったピアノが私のイメージとはちょっと違っていたので
もうちょっと考えさせてほしいんですが。」
この言葉にルーさんはものすごく驚いたみたいです。
私がピアノを買うことに乗り気のように見えたらしく、絶対確実なお客と思っていたのでしょう。
「今、フェアをやっているので期間内にお買いあげいただけると、大変お安くできるんですよ。」
「はあ、でも大変高価な買い物なので、慎重に検討したいと思います。期間内にというのはちょっと無理・・・」
「でも、期間内に買うととってもお得なんですよ。」
はい、はい。期間内にルーさんも売らなければならないノルマがあるんでしょうね。
つかんだお客は絶対離したくないでしょうね・・・。
でも、私はルーさんのためにピアノを買うわけではないんです!
そのときはやんわりと電話を切ったものの、翌日は私の家におしかけてきたのです。
フェア期間内に買うとお得、と連呼するので、私はとうとう言ってしまった。
「私にとっては、できるだけ安くピアノを買うことより、
できるだけ気に入ったピアノを買うことが大事なんです!」
・・・・・・
さすがのルーさんも、黙りました(一瞬)。
「そうですか・・・で、どんなピアノが好みですか?」
「あんまり明るい音のピアノは好きではないのです。
お店にあったピアノはみんな音が明るめだったんですよね。
落ち着いていてやわらかい音色で、かと言って暗いこもった音っていうことじゃありませんよ。
B社のピアノは落ち着いた音色というイメージがあったんですけど。」
「そうですねえ、最近明るめの音色を好むお客さんが多くて。」
「まあ、たしかにその方がいいという人も多いでしょう。
じゃあ、もうB社では、落ち着いた音色のピアノはつくっていないんですか。」
「そ、そんなことはありません!!」
「そうですかあ。まあ、そういうわけで私、そんなに急いでピアノを買う必要はないのです。」
「でも、気に入ったピアノが見つかれば早いに越したことはないんですよね。」
「そ、そりゃ・・」
「わかりました。」
そう言ってルーさんは意を決したように、私の家から立ち去っていったのでした。
さて、ルーさんが今後どう出るのかが見物ですよ!
次号につづく・・・