心の窓 「朝がくると」

「朝がくると」 詩人:まど みちお

朝がくると とび起きて
ぼくが作ったものでもない
水道で 顔をあらうと

ぼくが作ったものでもない
洋服を きて

ぼくが作ったものでもない
ごはんを むしゃむしゃたべる

それから ぼくが作ったものでもない
本やノートを

ぼくが作ったものでもない
ランドセルに つめて
せなかに しょって

さて ぼくが作ったものでもない
靴を はくと
たったか たったか でかけていく

ぼくが作ったものでもない
道路を

ぼくが作ったものでもない
学校へと

ああ なんのために

いまに おとなになったら
ぼくだって ぼくだって
なにかを 作ることが
できるように なるために

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これは今から35年以上前に発表された詩です。

人はなんのために生きているの?
という答えがここにあるような気がします。


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