「世界でいちばん貧しい大統領からきみへ」
『よく考えてほしい。
きみが何かを買うとき、
お金で買っているんじゃないってことを。
そのお金を得るために費やした時間で、買っているんだよ。
過ぎた時間とは、
きみの人生だ。
過ぎ去ったら取り返しがつかない。
だから、大切にしないといけないんだよ、
人生という時間を。
なかでも子ども時代はもっとも幸福な時期だ。
大人は子どもをせかさないてほしい。
子どもは遊んで、遊んで、遊んで、
幸せにならないといけない。
知識、知識、知識、情報、情報、情報、
と急いで与えないでほしい。
子どもはゆっくり育つべきなんだ。
いまは物をたくさん作らないといけないから、
経済的に価値ある人材を作ろうとしている。
はやく稼げるようになる勉強ばかりさせて、
子ども時代を台無しにしている。
そして、8歳や9歳で小さい大人のような子どもを期待している。
しかし、子どものときをたっぷり生きてこそ、
知恵と人格のある大人になれるんだ。
ビジネスが人生で
もっとも大事なものだと思うなら、
わたしは何もいうことはない。
わたしがもっとも大事だと思うのは、
命と幸せなんだ。
だって奇跡なんだよ、
生きているということは。
何よりも価値があり、
短く、二度と戻ってこない。
だから、この世にいる間に
できるだけ幸せに暮らすことを
心がけるべきなんだ。
死んだら楽園にいくという
宗教があるけれど、
楽園はこの世にあるべきなんだ。
楽園の鍵は、
自分の心に、自分の意志にある。
ほんとうらしいことに、
惑わされてはいけない』