原因自分説
米川先生の本の中から、もう一つご紹介しましょう。
「テスト」は何のため? というタイトルです。
教師と保護者との懇談で、
「こないだのテストの結果、お宅のお子さんの読解力が今ひとつで、
授業態度も悪いですね」
なんていう先生の会話は、ちょっとおかしいのではないかと思います。
テストとは、子供のためにやるのではなくて、教師のためにやるものだと考えています。
教師がどれだけうまく子供に教えられているかを知るためのもので、
つまりは教師の能力をはかるためのテストだと思うのです。
例えば、60点だったら、
「ああ、僕はこの子に60点分しか伝えられていないな」
と反省し、100点の子には、
「うまく理解してもらっているぞ」
と喜ぶ。そういうものだと考えるのです。
お母さんとの話でも、
「今回は僕の力不足で60点でしたが、今後はもっとよく理解できるように
授業をしていきますから、ご協力をお願いしますね」
という態度でなければならない。
教師として威厳を持つことは大切ですが、
「教えてやっている」という態度と威厳は違います。
(参考文献:かすが幼稚園 園長 米川安宜著 「これだけは知っておきたい 子育てのヒント」)
よくない出来事があったらすべて人のせい、と「原因他人説」に逃げ込む人は、
案外多いかもしれません。
私は、すべて「原因自分説」で物事を考えるようにしています。
つまり、すべての出来事は自分が悪いかもしれない、と考えるのです。
この話にあるように、生徒の成績が悪いのはもちろん生徒の勉強不足ではあるのですが、
では、なぜ生徒が勉強をしなかったのか、
なぜ理解ができなかったのか。
なぜ進んで勉強をするように興味を抱かせることはできなかったのか、
など深く深く原因を探っていくと、結局原因は教師にあるのだということが分かります。
仕事でも一緒です。たとえば契約が取れなかったのは
相手が悪い、上司の指導が悪い、会社が悪い、
いやこの世の中が不景気だから悪い、と責任を他へ転嫁しています。
この不景気でも大きく伸ばしている会社もあるのです。
また、失恋もそうです。振られた原因は何か考えてみると、
自分が大きく成長できる何かを必ずつかむことができます。
振られて相手をうらむより、「自分を成長させてくれてありがとう」
という気持ちを持つことが大切です(出来るかな?)
すべての出来事は、意味のあることなのです。
人のせいにして不平、不満、愚痴をこぼすより、
まず「原因自分説」をとってその原因をよく考え、間違いを素直に認めて
悪いところを直すと、物事がスムーズに前に進むようになります。