主演女優
人生は映画のようなものです。一生の間にはいろいろな出来事がありますが、それを一つの映画と考えると分かりやすいですね。
面白い映画というのは、感動や悲しみ、大きなトラブルや壁を乗り越えて人生に立ち向いそれを乗り越えて行くストーリーがあるものです。また、ヒーローやヒロインには、それにふさわしいセリフが用意されています。
皆さんの人生もそのような視点から見てみましょう。
順風満帆な人生を映画にしても、ちっとも面白くありません。今まで、必ずトラブルや壁にぶち当たった時があると思います。その部分を「盛り上がり」といいます。英語でクライマックス、日本語で起承転結の「転」の部分ですね。しかし、その映画を見ている人は、ハラハラして見ているでしょう。でもそれが面白いのです。それを解決したときに、その人は一つ成長したといえるでしょう。
テレビゲームのロールプレイングゲームというのがあります。主人公が道を前に向かって進んでいくのですが、これがまるで人生なのですね。向こうから敵がやってきます。小さな敵ですから「ザコキャラ」といいます。それを一つずつ倒していくと、経験値が上がり、武器を増やすことが出来ます。
その後、大きくて強い「ボスキャラ」が攻撃をしてくるのですが、小さな敵「ザコキャラ」から逃げ回ってきた主人公は、戦いの経験が少なく、武器も持っていませんから「ボスキャラ」に一撃でやられてしまいます。しかし、コツコツとザコキャラをやっつけて経験を積んでいくと、ボスキャラと対等に戦うことができます。
これを人生に当てはめますと、困難が来たときに、逃げ回ってばかりいた人は、大きなトラブルを乗り越えることが出来ず、何度でも同じトラブルに巻き込まれるということになります。
赤ちゃんは、なんでも口に入れてしまって、たとえば砂場の砂も口に入れてしまいますが、あまりにも神経質になりすぎて、除菌ばかりの生活をすることで、子供の抵抗力が低下し、かえって病気しやすい子供に育ったりするということも聞いたことがあります。これも雑菌の侵入から逃げ回ってきたからです。何事も程々が大事です。
話がそれましたが、たとえば女性だとあなたは、あなた自身がシナリオを書いて出演している主演女優だといえるでしょう。そのセリフもあなたが書いているのですが、人の悪口をいったり、周りの俳優をいじめたりしている姿は、どうみても主演女優の姿ではなく、悪役や脇役の演技だと思います。
その映画を見ている観客は、そんなの主役じゃない、と非難するでしょう。だって、主役はかっこよくいて欲しいと思うからです。
その観客の目から、自分の行動を見る。つまり、善意な心をもった第3者の目を常に意識し、自分の行動や言動が主演女優にふさわしく出来ているかをチェックすることが、あなたの人生の映画を名作に仕上げていくコツではないかと思うのです。
学校や職場でよくある「いじめ」も、映画の中のシーンでは美しいものではなく、とても醜いシーンだと分かります。いじめている人は間違いなく悪役です。それに賛同している人もつまらない取り巻き、つまり脇役です。
あなたの製作した主演映画なのにそれでいいのかな、と思います。そんな視点から自分を見つめることはとても大切なことではないかと思います。主役は、いじめられている人を助ける正義の味方であることは誰でも知っています。じゃあそれを実践するだけですよね。
映画の最後のシーンでたとえ主役が死んでしまっても、観客が涙を流して感動を与えられる人になりたいと私は思っています。これこそが、ありがとうと言われる生き方だと思うのです。
ぴあの屋ドットコム 石山