この写真はピアノの裏側です。
実は、このピアノは今は製造していない「X支柱」というものなんです。
通常4本から6本の支柱が立てに取り付けてあるのが一般的なピアノです。
でもヤマハのこのタイプは、支柱をX型にしてねじれに強い構造にしてあります。
弦は少しでも長くとるためにななめに張ってありますから、この考えは良くわかります。
建物でも斜交いの柱を入れる事で、耐震能力が格段に上がるのはご存じの通りです。
ただ、一般の方がよく勘違いされるのですが、「X支柱だから音がいい」というのは間違いです。
縦にまっすぐあるピアノでも20トンもある弦の張力を支えるのに充分なんですが、
さらにUPさせたのがこのX支柱ということですね。
ただ、こんな構造にするのはとにかくコストがかかります。
ですので、現在ではX支柱のピアノは製造されていません。
X支柱のピアノが欲しい方は中古でしか手に入らないということですね。
昔のピアノはある意味必要以上に耐久性を追求していたように思います。
電気製品でも、30年くらい前のものが今でも現役で動いていますが、
10年前のものはもうダメになっていたりして買い換えが必要になります。
製造業の企業としては買い換えしてもらわないと成り立たないわけですから、
その辺は消費者として見ると微妙な気持ちです。
☆いしやまーちゃん☆