「幸福度」
ブータンの国王夫妻来日のニュースが流れていました。
まだ20代の若い国王ですが、見た瞬間なんと人相の良い人なんだろう、と思いました。
そしてもう一つ、私の価値観を180度変えてしまうような、話を聞きました。
「ブータンでは経済的発展よりも、国民の幸福度の高い国作りをしていきたい」
これだけでしたら「ふーん」と思うだけでしょうが、ブータンでは「幸せ=財/欲望」という算数のような式があるそうです。
つまり財が10とすると、欲望が1しかなければ、1分の10なので幸せは10です。でも10の財を持っていても欲望が1000もあると、幸せは1000分の10で、幸せ度は0.01になります。
つまり、欲望が少なければ感じる幸せは大きくなるということです。
ブータン国王のもう一つの言葉。
「欲望は、触れている情報量に比例して増大していく」
私はこの言葉に衝撃を受けたのです。
ブータンの平均年収は8万円だそうです。月収じゃないですよ。年収です。
それに比べて、日本の経済的豊かさは比較になりません。なのに日本では、毎年自殺者が3万人を超えています。
インターネットが普及し、テレビや本に雑誌、日本ではものすごい数の情報があふれています。それが幸せなことだと私は思っていました。
しかし、情報がなければ(知らなければ)幸せなことってたくさんあることが分かりました。
先日、小学生の子供をつれて電気屋さんに行きました。そこでは、「スーパーマリオ3Dランドまもなく発売!!」と大々的に宣伝をしていました。
それを見た瞬間、子供はずっとこのゲームソフトを「欲しい!」といい続けていました。
これなんですね。この情報を知らなければ、今あるDSだけで十分満足して楽しんでいたはずなのです。
人間は欲しいものさえ全部手に入れたら幸せになれるのでしょうか? おそらく、次はもっともっとと欲望は増えていくように思います。
結局、このDSソフトは子供に与えてしまいましたが、私は子供のころに親から買ってもらった事の思い出よりも、遊んでもらって楽しかった思い出の方が鮮明に覚えています。
親は忙しかったので数は少ないですが、その少ない中でしっかりと想い出をプレゼントしてくれたのだと思います。反省しないといけませんね。
生活満足度・寿命・環境負荷などから算出する「幸福度指数」というのがあって、2009年で日本は143カ国中75位だそうです。
経済的にあまり豊かでない国の人々からすると、日本人に対して「いったい何が不満なの?」と思うでしょうね。
これからはブータンの考え方を意識して、生きていきたいと思います。