今、コンパクトグランドピアノが大人気!新型コロナの流行で、今までの価値観がガラリと変わり、家の時間をいかに有意義に過ごすか、と考える方がとても多くなりました。
そんな中で音楽やピアノが大好きな方にとって、自分の人生の大切な時間やお金、そしてそこに使うスペースも自分の好きなことのために使いたい、と思う方が増えました。
デジタルピアノよりもアップライトピアノ、アップライトピアノよりもグランドピアノと、より良いものに意識を向ける方が多くなり、人生の大切な時間をグランドピアノとともに過ごそうか、と思うのはピアノ好きの方にとっては自然の流れだと思います。でも、あまり大きなものは物理的に無理となれば、コンパクトグランドピアノの中から自分に一番あったものを選びたいですね。
そんな方々に、各メーカーの違いをピアノ調律師の立場から解説してみたいと思います。
あくまでも個人的見解ですので、他のいろいろな方の意見も参考にしてみてください。
KAWAI PIANO
カワイグランドピアノ GL-10
希望小売価格 1,320,000円(税込)
間口150cm 高さ102cm 奥行 153cm
重量 282kg
ヤマハコンパクトグランドGB1Kよりも、奥行は2cm長く、重量は21kg重い設計です。これは立体的な響きを生むために、ボディ剛性そのものを向上させたことによるものではないかと思われます。音色はやはり伝統的なカワイトーン。優しくふくよかでありながらしっかりした重低音を出しています。タッチも軽快です。両手を広げた幅を真四角にしたくらいの大きさですから、4畳半にも十分置けるのがいいですね。(カワイインドネシア工場製)
YAMAHA PIANO
ヤマハグランドピアノ GB1K
希望小売価格 1,320,000円(税込)
間口146cm 高さ99cm 奥行 151cm
重量 261kg
ヤマハの全グランドピアノの中で一番小さなコンパクトモデルです。
浜松駅前にあった大橋ピアノ研究所事務所に行ったときに、大橋幡岩氏がヤマハにいた時代(戦前)に試作した奥行140cmほどの超コンパクトグランドを弾いてみたことがあります。数台しか製造されなかった希少なものですが、そのころからヤマハは小さなグランドピアノの研究をしていたのだと、歴史の深さを感じます。
世界最大のピアノメーカーヤマハ。明るく伸びのあるヤマハトーンをこの小さなグランドピアノでも再現していてタッチコントロール性能は抜群です。重量も大型アップライトピアノとほぼ変わらず、手軽に楽しめるグランドピアノです。(ヤマハインドネシア工場製)
APPOLO PIANO
アポログランドピアノ ヴィエルジェV148
希望小売価格 オープン価格
間口149cm 高さ102cm 奥行 148cm
重量 290kg
現在アポロブランドではグランドピアノは製造しておらず、姉妹ブランドの「ヴィエルジェ」という名前で製造しています。全モデルがコンパクトグランドで、すべてネコ脚のハープ風ペダル。とにかくデザインが素敵ですね。音色はアポロらしいキラキラした明るい音色。天然木をふんだんに使っています。(アポロ上海工場製
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ASAHI PIANO
コロラトゥーラグランドピアノ EX-151E
希望小売価格 1,100,000円(税込)
間口150cm 高さ102cm 奥行 151cm
重量 310kg
ぴあの屋ドットコム株式会社オリジナルブランド「Coloratura」は、オーストリアのウィーンに本拠を置くウェンドル&ラングをベースにコロラトゥーラ仕様に整音されたコンパクトグランドピアノです。優しく重厚な音が特徴で、小さいながらパワフルな音が出るだけでなく、タッチも軽快で初心者でもとても弾きやすいピアノです。木目調モデルもおしゃれでとても人気です。(HAILUN寧波工場製)
ENSCHU PIANO
エンシュウグランドピアノ E151
希望小売価格 1,265,000円(税込)
間口152cm 高さ102cm 奥行 150cm
重量 280kg
令和元年に浜松に創業した新しいピアノメーカー「遠州楽器制作株式会社」。令和4年11月29日にグランドピアノE150を発表しました。アップライトピアノE121も評判で多くのピアニストの好評価を得ています。エンシュウグランドピアノの特徴は、小さいグランドピアノに無理にパワーを求めるのではなく、小さな部屋に美しく響く音色と弾きやすいタッチを追求したものです。大きな工場でつくられるものではなく、職人が少人数で完全手作り製造しているのも特徴です。昔ながらのピアノの作り方を再現しているのではないかと思われます。コンパクトグランドピアノとしては唯一の国内製造。メイド・イン・ジャパンのピアノとして世界でも注目されています。(遠州楽器制作 浜松新都田製)
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