「奇跡のラブストーリー」~60年も胸に秘めていた想い
ある男性がSNSに投稿した話が、
海外サイトで話題になりました。
このストーリーの発端は、
ひとりの男性が通りに落ちている財布につまずき、
財布を拾ったことから始まります。
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私は、持ち主を見つけるために、
何か手がかりがないものかと
財布の中身を確認しました。
中には3ドルの紙幣と見るからに古いしわくちゃの手紙。
手紙の唯一の手掛かりは差出人でした。
他の手掛かりを見つけることを期待して、
失礼ながら手紙を開きました。
日付には1928年と書かれていました。
手紙はおよそ60年前(その当時)に書かれていたのです。
それは美しい、女性の筆跡で書かれていました。
左隅に小さな花が印刷された青い便箋。
内容を読んでみると
それは、母親に禁じられ、
彼に会うことが出来ないことを告げた別れの手紙でした。
それでも、「あなたのことが大好き」
と何度も書かれていました。
差出人は「ハンナ」と署名。
それは美しい手紙でした。
情報はただひとつ。
「マイケル」に宛てた手紙だという以外にありませんでした。
そして封筒には電話のリストが書かれていました。
番号案内に電話をかけました。
オペレーターに
「拾った財布の持ち主を見つけたいのですが、
財布の中にあったリストで持ち主を見つけることはできますか?」
と尋ねると、
彼女は一瞬ためらいましたが、
「そのリストですが、残念ながら私からあなたに、
個人情報を教えることは出来ません…」と述べました。
しかし、彼女は丁寧な応対で
「上司と相談してみます」と答えました。
数分待った後、オペレーターを通じて
複数で話ができるパーティートークならOKということで、
3人の電話がつながりました。
女性に「ハンナ」の名前を尋ねると、
彼女は「ああ!」と驚きました。
「私たちはハンナという名前の娘さんがいた家族から、
この家を買いました。でも、それは30年前の話です」
「その家族が今住んでいる場所が分かりませんか?」
と尋ねると、
「ハンナは何年か前に老人ホームに母親を
預けなければならないと話していました。
もしかしたら、その老人ホームと連絡を取れば、
娘のハンナのことが分かるかもしれません」
彼女は、私に老人ホームの連絡先を教えてくれました。
連絡をとると、母親は数年前に亡くなったとのことでしたが、
娘(ハンナ)が住んでるかもしれない場所の
電話番号を知っていました。
その電話番号も老人ホームのものでした。
私は彼らに感謝し、電話を掛けてみると、
「ハンナは以前こちらのホームに住んでいました」
と説明されました。
さらにハンナが移転した先の
特別養護老人ホームの連絡先を教えてもらいました。
電話をかけると男性が、
「はい。ハンナは私たちのところに住んでいます」
と答えました。
時計を見ると、すでに夜の10時でした。
「これから彼女に会いに行くことは可能ですか?」
と尋ねると、
「もし会いたいのなら、彼女は部屋で
テレビを観ているかもしれません」
彼に感謝し、老人ホームに車を走らせました。
夜勤看護師と警備員が私を迎えてくれました。
私たちは豪華な建物の3階に上がり、
看護師はハンナを紹介してくれました。
彼女は優しい笑顔と煌めいた瞳を持つ、
素敵な銀髪の老婦人でした。
私は財布を見つけたことについて説明し、
彼女に手紙を渡しました。
彼女はきれいな小花のついた青色封筒を見た瞬間、
深呼吸をしてこう語りました。
「若い頃、この手紙はマイケルに送った最後の手紙でした…」
彼女は深くため息をつき、はにかみながら
「私はとても彼を愛していたわ」
と小さな声で囁きました。
「私はその時16歳。
母は私が恋愛するにはまだ早過ぎると反対したの。
ああ!彼はとてもハンサムだったわ。
まるでショーン・コネリーみたいだった」
「マイケル・ゴールドスタインは素晴らしい人でした。
もしあなたが彼を見つけてくれるなら、
『私はまだ彼を愛している』と言って」
涙を溜めて
「私は彼を思って結婚しませんでした」と語るのです。
私はハンナに礼を言い、別れを告げました。
帰ろうとエレベーターに乗った時、警備員に話しかけられました。
「あなたが探していた老婦人に会えましたか?」
「財布の持ち主を見つけるために、ほぼ一日を過ごしました」
と話し、赤いひも付きの茶色の革財布を取り出しました。
その瞬間、警備員が驚くべきことを口走ったのです。
警備員は、私が取り出した財布を見た瞬間、
「ちょっと、ちょっと待ってください!
それはゴールドスタインさんの財布ではないでしょうか。
その財布は、ここの誰もが知っていると思います。
彼はしょっちゅう財布を失くし、
ホールで3回以上発見してますよ」
「ゴールドスタインさん?」
「彼はこの施設に住む8階の老紳士のひとりです。
その財布は確かにゴールドスタインさんのものです。
彼は散歩の途中で失くした可能性があります」
私は警備員に礼を告げ、すぐに看護師のオフィスに走りました。
警備員に言われたことを看護師に話すと、
私たちはエレベーターに乗り、ゴールドスタインさんが
まだ起きていることを祈りました。
8階の看護師は、
「彼はまだ部屋で本を読んでいると思います」
と述べました。
「彼は夜に本を読むのが好きなんです」
私たちが彼の部屋に行くと、本を読んでいる男性の姿がありました。
看護師は「財布を落としませんでしたか?」
と彼に尋ねると、背中のポケットに手を入れ、
「ああ!それを落としたらしい」とゴールドスタイン氏。
「この男性が発見してくれたんですよ」と看護師。
彼に財布を手渡すと、ホッとして微笑みながら
「それは私の財布です。
今日の午後、私のポケットから落ちたのかもしれない。
あなたが親切に届けてくれたお礼をしたい」と。
「いいえ、気持ちだけで十分です」とお断りしました。
「でも、あなたに大事なことをお伝えする必要があります。
失礼ですが、財布の持ち主を探すために
手紙を拝見させていただきました」
ゴールドスタイン氏の顔に笑みが失せ
「あなたはその手紙を読みましたか?」
「はい、手紙を読んだだけではなく、
ハンナがどこにいるか知っています」
と答えました。
彼は急に青ざめ
「ハンナ?彼女がどこにいるかをご存じですか?
彼女はどこに?彼女のことを教えてください!」
と必死に懇願します。
「彼女は…あなたが知っていた昔と同じように、
美しい人ですよ」とそっと言いました。
ゴールドスタイン氏は一瞬微笑んで、
「私は明日彼女と会いたい…」
彼は私の腕を掴み、
「私はその手紙が届いたとき、人生の終わりだと思いました。
どれだけ彼女のことを愛していたか分かりますか?
私は今まで結婚をしたことがありません。
それだけ彼女のことを愛してきたのです…」
ゴールドスタイン氏の切実な想いを感じ、
「一緒に来てください」と言いました。
私たちは3階までエレベーターで降りると、
廊下は2つだけライトが点いていました。
ハンナはまだテレビを観ながら、
ひとり座っていました。
看護師はハンナに歩み、
戸口で一緒に待っていたマイケルを指さし、
そっと言いました。
「あなたはこの男性を知っていますか?」
ハンナは老眼鏡を整え言葉を発しませんでした。
マイケルはそっと囁いたのです。
「ハンナ。私はマイケルです。覚えていますか?」
彼女は一瞬息を飲み、
「信じられない!マイケル。あなたなのね」
…看護師と私は感動で涙を拭いました。
このストーリーは、ここで終わりませんでした。
それから3週間後、特別養護老人ホームから
私のオフィスに電話がありました。
「マイケルとハンナは結婚します。
日曜日の結婚式に出席することができますか?」
それはお祝いに参加するために、
特別養護老人ホームの人々が衣装を着飾った、
それはそれは美しい結婚式でした。
ハンナはライトベージュのドレスをまとい、
美しい老婦人に見えました。
マイケルはダークブルーのスーツに身を固め、
背の高い最高の紳士に見えました。
76歳の花嫁と79歳の新郎が、
ティーンエイジャーのような、
純愛を実らせた素敵なカップルに
施設はふたりの部屋を与えたそうです。
ひとりの男性が道端に落ちていた財布を拾い、
60年前に送られた手紙に書かれた唯一の手掛かりは、
差出人と電話リストでした。
拾い主の親切な心と探求心に火が付いたのか、
ほぼ1日中駆け回ります。
ストーリーの結末は、なんと、同じ老人ホームの
3階と8階に住んでいた老人同士だったのですね。
出典:https://yuru2club.com/wp/?p=14101&fbclid=IwAR3WKR0c3r_MzXfwbYzs58Eiyk9ymLARoLCIrNe9kw0V6hbMsLpu-iEmeA4