日々の作業のこと」カテゴリーアーカイブ

ペダルの修理☆

手を離しても音が伸びるペダルって、右のペダルですね。
ペダルを踏むと、天秤棒をてこの原理で動かし、
突き上げ棒を持ち上げて、ダンパーという弦を押さえる部品を、
弦から離す働きをする装置です。

この写真のピアノは、踏んでも踏んでも、ダンパーが上がらず、
みんなで原因がわからず頭を抱えていました。。。

そしてついにそれが分かりました☆
天秤棒が古いタイプ(木製)でできていて、
それがペダルを踏んでもその木がしなってしまい、
突き上げ棒にエネルギーが伝わらないのです。

そこで、木を取り換えればいいのですが、
できればオリジナル部品を生かしたいと考えた結果が上の写真です。

天秤棒にアルミのパイプをネジでしっかりとめて、
木がしならないようにしたのです。

バッチリOKでした。
これで大丈夫。
あと30年は十分に働いてくれるでしょう。

ちなみに、現在のピアノは下記の写真のように、
鉄のパイプになっています。

よく、「このピアノは全部 ”木” でできているから高級品です」というセールストークを聞いたことが
あるかもしれませんが、
このように、車でいうとシャフトのような部分にまで木にこだわることはありません。

音に影響のない部品は、耐久力のある非木材でも全然問題ないということですね。
カワイはものすごい早い動きとエネルギーがかかるアクションの部分、(車でいうとエンジンの部分)には
昔はABS樹脂、現在は高級品にカーボン樹脂を使っています。

これも耐久性を増すために使っている部品です。
絶対に木でないといけないという常識は、今は常識ではないと思ってくださいね。

調律師は毎日が工夫の連続です。
面白い仕事ですよ。

調律師になりたい人、いませんか?

☆まーちゃん☆


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お店のようす です

ぴあの屋ドットコムは、

他の楽器店さんのような 街中のショールームとは少し違い、

京都市伏見の住宅地に店舗があります。

新しく入ったピアノをご紹介する動画をご覧頂いている方は、

お気づきかも知れませんが、

コンクリート壁の倉庫の中で、

ピアノを展示しています。

その為、他の楽器店さんでは考えられない光景、事柄が、

見られたり起こったりします。

夏の倉庫でピアノの整備をする時の大敵は

蚊!:xですが、

秋になると、別の光景です。

                                                                                            

朝、出勤して倉庫を開けると、

床や、そして時にはピアノの上に、

バッタやコオロギがとまっていたりして、

つい微笑ましい思いになったかと思うと、

時には、オニヤンマみたいな 

大きなトンボの乱入もあります。

お客様にピアノをご案内している時なんかだと、

まず、会話や演奏は、一瞬止まります。:mrgreen:

少しユニークな ピアノのお店ですが、

どうぞお気軽に、ご来店ください。:grin:

お電話やメールでのご質問やご希望なども、

お待ちしています。

○ひでちゃん○


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みんなで修理☆

先日納品したディアパソンピアノの鍵盤の上りが悪いというご連絡をいただいて
さっそく無料修理に伺いました。

納品後にはよくあることで、京都の倉庫の温度湿度の環境と、お客様の自宅の環境がちがいますので、
どうしても、木材が湿気を吸ったりしてふくらんで、ひっかかったりするのです。

それをきちんとご説明していないと、買ったばかりのピアノが不良品なのではないかと
クレームになってしまいます。

今回も、ドの音だけが上りが遅くなっていました。
すぐに圧縮して10秒で修理完了!☆

でも、ほかの鍵盤も同じ症状があとから出たらこまりますから、
全部の鍵盤を再度調整することにしました。

そこで登場!
写真のお子さんたちです。

鍵盤を外す作業を手伝ってくれました。
男の子は黒鍵担当。女の子は白鍵です。

終わりの方には、鍵盤をはめるのも上手になりました。
こんな経験はめったにできません。

故障してよかったのかな。
男の子はまだピアノを習っていないそうですが、
たとえ1年でも習うといいですよ。
人生においてものすごいプラスになるはずです。

さらに女の子にモテます。
あのヨン様もピアノ弾いてましたしね☆

☆まーちゃん☆


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バランスの大切さ☆

日々の作業で私が考えることを今日はお話しますね。

たとえばネジを締める場合。
6か所のネジを締めないといけないとします。
1か所づつ、しっかりと締めていっても、
6か所全部を締めると、最初のネジが緩んでいます。
また最初からやりなおしです。

私のやり方は、最初から大まかにネジを締めていきます。
6か所終わったら最初からもう一度締めるつもりでやるのです。

なんどかやっているうちに、全体が均等に締まっていきます。
それでいいのです。

最初から、完璧にやろうとしても無理がかかります。
これがバランスということです。
全体をみて行動するということ。

それでは、お茶を急須で6つの湯飲みに入れるとします。
最初の1杯めから満タンに入れると、6杯目の湯のみのお茶がとても濃くなってしまいます。

少しずつ全体が同じ濃さになるように入れていきますよね。
これも分かりやすい例です。

ピアノの調整作業も、最初から完璧に仕上げていこうとすると
結局最後にはやり直しが必要になるものなのです。

初めにざっとやって、70%ほどの出来でとにかくやってしまうことです。
そして、見直して極端にずれているところを直す。
それで80%の出来になって、もう一度ざっと見直して、90%の出来。

このように、全体的にバランスを見て精度を上げていくのが、
結局は早く正確に仕上がるコツなんです。

私は、調律がとても速いです。
調子のいい時には、35分で仕上がります。
通常で45分くらい。

もし、1時間半もかけてやると、私の場合はかえって精度が悪くなります。
バランスがよくないんです。
もちろん耳がつかれてくることもあります。

「今度の調律師さんは時間をかけて丁寧に調律してくれた」、といわれるお客様もありますが、
そういう基準でいうと私の調律は丁寧じゃない、という評価になってしまいます。

かけっこに早い人もいれば遅い人もいる。
調律がゆっくりだから、という基準ではなく、その仕上がりがどうかということが
大事だと思っています。

時間は早くても、私の調律はとても狂いにくいんです。
1年後でもけっこういい状態をキープしていることが多々あります。
もちろん、調律以外の調整や修理があれば時間はたっぷりかかります。

なにがいいたいのかといいますと、時間じゃないんです。
バランスよくいい状態になれば、弾いていて気持ちいい状態になれば
私はそれが一番だと思っているのです。

社員にもいつも言っています。
寸法どおり整備ができたからそれでよし、ではない。

お客さんの立場で、ピアノの前にすわって弾いてみて
いい音がして、弾いていて気持ちいいかどうか。

この意識をわすれたらダメだということです。
なぜ、その寸法にしなければならないのか。

学校で習ったから?
違います。

その寸法で調整することで、弾きやすくていい音がして
お客様が喜んでくれる。

この意識が大切だということなんですね。

10月にものすごい数のピアノが売れたものですから、
社員は遅くまでのこって、一日でも早くお届けできるように頑張っています。

その中で、このような意識を絶対に忘れずに作業を続けてほしいと
思っています。☆まーちゃん☆


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10年ぶりの授業!?

先日、グランドピアノの整備をしていました。
夕方、このピアノは遠方に運ばれていくのですが、ギリギリまで作業と点検をしていました。
そこで気付いたのが,ハンマーのリバウンドが止まらないのです!
ありとあらゆる手をつくしたのに、一向になおらず…★
時間は迫って来るしで、もぅ、てんやわんや!!!
諦め、ベテラン調律師さんに相談☆
それは、調律の専門学校の恩師!
『先生~リバウンドがなおらへん!何か原因わかりますか~??時間も無いんです!』と。
なんと!すぐに駆けつけてくれました♪
二人であれやこれやと考え、さすが先生!原因を発見(白鍵ww)!!
単純な原因でした★
ついでにちゃっかり精度も見てもらいました♪
授業だけではわからない原因がたくさんあるんです。
ピアノの機種、年代によってもビミョウに違うので、それに対応できるようにならないとダメなんですね~
10数年ぶりに授業を受けましたねww
懐かしかったですww
あの頃の自分を思い出しながら…ひどかったな~あの頃はww

先生も仕事があってお忙しいところなのに、ありがとうございました☆
また来てくださいねww
☆ともみ☆


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