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11月13日 心の窓 16.三年峠

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 心の窓 16.三年峠  
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三年峠

 昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。

ある日、おじいさんはいつものように山へ仕事に出かけました。

その日は、三年峠という峠を越えていかねばなりません。


朝、出る前におばあさんはこういいました。

「おじいさんや。あの三年峠には気をつけるんじゃよ。

あそこで転んだのものは、3年で死んでしまうという言い伝えがあるんじゃからなぁ」

おじいさんが三年峠にさしかかると、いつもより慎重に歩きました。

「右足の次は左足」というあたりまえのことを意識しすぎてコチコチになり、

ついに足がもつれて転んでしまいました。

「これはしまった。大変だ」とおじいさんは慌てて家に帰りおばあさんに報告しました。

(ここからストーリが2つに別れます)

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ストーリー1

おばあさんはたいそう驚いて、おじいさんを責めました。

そして、おじいさんとおばあさんは毎日手を取り合って泣き暮らし、

そのストレスから、体のあちこちに支障がではじめ、

ついに三年を経たずにおじいさんは亡くなってしまいました。


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ストーリー2

おばあさんはたいそう驚きましたが、そのうちニコッと笑ってこう言いました。

「なあおじいさんや。人間はいつかは必ず死ぬわなぁ。

3年後に死ぬと決められるとそれもつらいわなぁ。

でもよく考えてみると、三年峠で転ぶと3年後に死ぬということは、

あと3年は生きられるという保障を得られたようなものじゃわ。

わっはっは!

おじいさんや、もう一度三年峠に行っって転んでいらっしゃい。

そうすれば6年生きられるわい。

あと2回転べば9年じゃ。こりゃめでたいめでたい。」

おじいさんはさっそく三年峠に行き

コロコロ、コロコロ転び、ついに天寿をまっとうしました。


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このお話を知り合いから聞き大きな感銘を受け、
今回ストーリーを二つに分けて私なりに脚色してみました。
三年峠で転ぶということは、人生でつまづくということです。
普通に自然に歩けばよいものを(自然に人生を歩めば良いものを)
意識して自分の思うことと違う歩き方(生き方)をするとつまずいてしまいます。

人生でつまづきはつきものです。
失敗は誰にでもあること。そのあとが大事なのです。
転んだということをずーっと後悔し、三年峠という場所があることを恨み
自分の人生の期限が短いと嘆き、悲しんで一生を送るのも人生。

人間はいつかは必ず死ぬ運命にあるということを理解し、それが明日ではなく
3年後だということに感謝し、さらにそれを前向きに知恵を使って生きるのも人生。

どうせなら、限りある人生を前向きに楽しく送ったほうがいいに決まってますよね。



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