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「白血病は治る」というコラムを以前に書きましたが、そのボランティア活動「NPO法人さい帯血国際患者支援の会」(http://www.ptsupport.net/)の総会が神戸先端医療センターでありました。
私たちは、このボランティア活動をやっていても、実際に患者さんと直接接触することはありません。患者さんの後方支援のための活動だからです。でも今回、実際にさい帯血移植をされた患者さんのご家族が出席され、お話を聞くことができました。以下要約した内容ですのでお読みください。
私の主人は、去年の3月に67歳5か月でさい帯血移植を受けました。それまでに近くの市民病院に3か月半、先端医療センターに移って5か月入院し、無菌室にも長く入っていました。退院後は、免疫が落ちていることからちょっとしたヘルペスなどは出てはいますが、ほとんど合併症も出ずいい状態を保っております。病院の先生方も、今までの最高齢の成功例でとても喜んでられました。
今日この会議に参加してみて、最初、私は場違いではないかと思いましたが、このようなボランティアの方々が、草の根で活動されていることを知って、びっくりしています。
私の主人に移植したさい帯血は、東海大学のさい帯血バンクから届いたものでした。とても元気の良い男の子のへその尾から採取したもので、細胞数が非常に多く、主人が必要になったときにそれが見つかったのは、本当に奇跡のような感じに思います。
さい帯血の移植後、普通は3週間で成着するのですがなかなか成着しなくて、その間は完全無菌室でたいへん苦しい状況が続きました。主人の場合は5週間もかかり、このままではダメだ、他の手を考えないと、と先生も相当悩まれました。
そんな中で、ちょうど桜の咲くころでした。やっと成着の兆しが見えたのです。いつも無菌室のガラス越しに見舞にいっていたのですが、先生が私を見つけると手を振って、こちらに来なさい!と合図を送ったのです。
先生のパソコンの画面をさっと私の方に向けて、「これこれ!これを待ってたんですよ!」と先生は言うのです。そこには、白血球が少し増えた様子が出ていたのです。
私もうれしくてうれしくて、なぜかすぐに近くのデイリーヤマザキのコンビニに走って行って、今思うとなぜかわからないのですが、カレーパンとビールを買って、近くの公園にいって、桜の木に「カンパイ!」と叫びました。それから、まだまだいろいろとありましたが、現在68歳と9か月で元気にしております・・・。
ここまで話された時に、有田理事長は訊きました。「お住まいはどちらですか?」「神戸です」。そのときに理事長はこう話されました。東京や神戸のように最先端の医療施設がある近くにお住まいの方はラッキーですが、沖縄など医療格差で苦しんでいる地域はたくさんあります。
こんないい病院があることを知らない、また知っても来ることができない、そんな患者さんに同じように機会をあたえるための応援をしたい、というのがこの団体の発足のきっかけになったんです。地方にいてちゃんとした医療を受けられない人のために、また退院後の無菌室の提供など私たちのやるべきことはたくさんあります。一緒に頑張りましょう。
こう理事長は話されました。1000円サポーターとして協力くださっている方々、そして命を救うボランティア。一人一人のできることはわずかでも、多くの人の力が集まれば、命を救っていくことができるのですね。
これからもありがとうと言われる生き方を実践していきたいと思っています。
ぴあの屋ドットコム 石山