ピアノ発表会体験記 by みなみで@らっぱ
今年9歳になる私の娘が保育園に通っていた頃からピアノを習っています。
毎年ピアノ教室主催の発表会が開催され、我が事の様にドキドキしながら見ていました。
今から2年ほど前の発表会の時は、親子連弾で参加ということでしたが
家内はピアノが全くダメで、仕方がなく私が引き受けることになりました。
という私は20年以上オーケストラでトランペットを吹いていますが、
ピアノはほとんど無縁の状態でした。
最低限演奏する行為=読譜+楽器操作 と勝手な公式を打ち出し、
幸い楽譜は読めたので50%は終わったも同然!と軽い気持ちで臨んだのです。
曲はディズニーでお馴染みの「ハイホー」と「手をたたきましょう」の2曲。
練習期間は約2ヶ月、仕事から帰って夕食後キーボードに向かって練習する日々が続きました。
当然最初は思うように指が動かず、キィーキィーとヒステリックになりながら弾いてました。
ひどい時は始めて2〜3分程で練習をやめました。
気持ちを切り替えて練習方法を変えてみました。
右手だけを集中的に練習し、そら(暗譜)で弾けるようになったら次は左手を集中的に
練習する方法をとりました。
おかげで1ヶ月経った頃には躓きながら両手で何とか弾けるようになりました。
ピアノの先生に見ていただいたところ「大丈夫ですね」と太鼓判をいただき
我ながら自信を持っていました。
娘の方はところどころ指がもつれることもありましたが、でも健闘しています。
発表会まであと数日となり、連弾で練習する回数も増えて曲も最後まで通せるようになりました。
いよいよ発表会当日、ステージに乗るのはオーケストラで慣れているとはいえ、
この日ばかりは少々勝手が違いドキドキ。
他のお父さんに「調子はどうですか?」と尋ねると
「いやぁ〜練習不足でねぇ途中で止まっちゃうかも」と少々自信無さそう。
この2ヶ月必至で練習したのだからと自分に言い聞かせ落着こうとしました。
発表会が始まりさっきのお父さんは途中で止まるどころか難なく弾き終え袖に戻ってこられました。
「良かったです!」と声をかけると「いやぁ〜ドキドキでした」とお子さんの手を引きながらも
満足そうな表情でした。
私たちの番です。「いつも通り」と自分に暗示をかけ、娘と一緒にステージに向かいました。
1曲目「手をたたきましょう」はホールの天井を見たり、娘と顔を見合わせて笑ってみたりと
結構余裕を持って弾くことが出来ました。
問題は2曲目の「ハイホー」です。弾き始めると何かいつもと違う。音は合ってるけど何かが違う。
そう思っているととうとう曲が止まってしまったのです。
娘に小声で「もう一度やり直そう」と2回目。やっぱり何か違う。
また曲が止まりました。
もう頭の中は真っ白・・・。
何が起こったのかわからなくなりました。「もう一回」と3度目。会場から笑いが起こりました。
後から聞いたのですが、ピアノの先生が袖から「もう1オクターブ上!オクターブ上!」と
言っていただいてもパニック状態の私には聞えなかったのです。
この時なぜか私はいつものポジションの1オクターブ下で弾いていたのです。
3回目やっとの思いで通せましたが、赤面・冷や汗タラタラものでした。
終演後、娘はチョット不機嫌。
ピアノの先生も「大変でしたね・・・」と。なんだかドット疲れが出てしまいました。
この模様は家内がしっかりビデオで撮影していましたが、家内もいても立ってもいられなかったようです。
でも今思うとこんなキッカケがなければピアノを弾くこともなかっただろうし、
娘と連弾なんて夢にも思っていなかったので貴重な経験をしました。
娘に今度また連弾しようか? と尋ねるといつも返ってくる答えは
「イ〜ヤ!!」
最近はお父さんがピアノ発表会に子供と一緒に出るケースが多くなりましたね。
たいていは、お父さんが子供の足を引っ張るというパターンにはまるようです。
みなみでさんは、普段トランペット奏者として舞台には慣れているはずが、
勝手のちがうピアノでは、なんともいえない経験をされました。
でも、手に汗握るスリルを一番味わったのは、会場で見ていたお母さんでしょう。
この経験で父子の絆がさらに深まったと思います・・・。