写真はハンマーの接着がはがれて、チューリップの花のように開いてしまった様子です。
職人用語で、「ハンマーパンク」とも言います。
ピアノハンマーは、弦をしっかりと叩いて音を出すため、
フェルトを木に強く巻きつけて弾力を持たせて、ホッチキスのようなもので
しっかりと留めてあるのですが、古くなってくるとその保持力が落ちて
パカっと開いてしまうことがあります。
これは要修理ですね。
即演奏に支障があるものですから、現場では簡易修理として木工ボンドを内側に塗って
タコ糸のようなもので巻いて止める緊急修理方法もありますが、
本当はハンマーを交換するのがベストです。
ハンマーには、ドイツ製フェルト(製造メーカーは忘れました)を使ったレンナーというブランドと
イギリスのロイヤルジョージというフェルトを使ったハンマー
それからピアノ用としては日本唯一といっても良いフェルトメーカー「日本フェルト」のフェルトを使った
ハンマーが主流です。
西洋の楽器なので、スタインウェイも採用しているドイツ製レンナーハンマーが良いように思われる方が多いですが、
私は製品の均一性という意味で、個体差がほとんど出ない日本フェルトのハンマーも
相当優秀であると思っています。
このようにピアノにはいろいろな修理があるんですよ。