ぴあの屋ドットコムでは、カワイ防音ルーム「ナサール」の取り扱いを行っております。
カワイは他社大手メーカーよりも5年も早く、防音ルームの販売を始めています。搬入した運送屋さんがその場で組み立てる方式ではなく、取り付けの専門家が、音漏れのチェックなどしながら、1本のビスまで細心の注意を払って取り付け工事を行っております。
全国の皆様から受注お受けしますが、まずはカワイの専門家を派遣しますので、下見をさせてください(無料)。防音室工事のためにピアノを移動する必要が出てきますが、その往復運賃はぴあの屋ドットコムで負担させていただきます。また、当社でピアノをご購入と同時に防音室もご依頼いただいた場合には、送料無料(1階まで)で対応させていただきます。防音ルームの御相談は、是非ぴあの屋ドットコムへご依頼ください。
フェイスブックで「カワイ音響システム」のページに、楽器の防音に関して興味深く勉強になる話がたくさんあります。転載の許可をいただきましたので、ここに記載したいと思います。いずれ、この内容を織り交ぜて皆様の防音の悩みを解決するページ新たに作っていきたいと思います。
防音の話では、Dr-30やDr-40とかいて「でぃーあーる30」「でぃーあ-る40」とか言って、防音の性能を説明します。詳しく説明すると難しい説明になってしまいますが、要するに防音室の成績を表す点数のようなものです。数字が大きいほど、性能がよく、音を漏らさない力が優れている防音室になります。
音の大きさはdB(デシベル)という単位で呼びます。人の話し声は50dBぐらい、ピアノの演奏が80~95dBぐらいです。騒音計で測りますが、今、その騒音計は非常に簡単に手に入るようになりました。スマートフォンがアプリで騒音計に早変わり! 写真はiPhoneの騒音計アプリです。確か170円でした。値段以上に使えて楽しいですよ!
このホール、個人のお宅のプライベートなサロンホールなんです! 天井高さは5m以上のとても贅沢な空間です。そして驚くほどやわらかな、音に包まれる感覚が生まれるホールとなりました。木造住宅でこのような空間を作るのは本当に難しいのですが、住友林業さんとのコラボで生まれた傑作だと思っています。
近畿圏某所で完成した簡易ドラム室です。一戸建てでの施工ですが、お客様たいそう喜ばれてました!!
音楽サークルの合宿のメッカ、千葉県の南房総の民宿でホール(合奏練習用)の建築に音響システムのノウハウを活用しました。体育館のように広いスペースで100人編成のオーケストラも演奏可能です。響きも利用者から評判よく、遮音性能も夜中まで音出しができるとご満足頂いています。こういった周りからのサポートができることで日本の音楽文化の役に立てることもカワイ音響システムの誇りであります。
残響時間が、音の響き具合の尺度であることはみなさん知っているとおもいます。最近のクラシック専用ホールの残響時間は、概ね2秒前後に設定されています。残響時間は、正確に言うと、ある音量で鳴っていた音を止めた瞬間から、60dB音量が減少するのに要する時間のことです。もちろん、ストップウォッチなどでは計れませんので、専用の測定器を使用します。
さらに、詳しく言いますと周波数(音の高さ)ごとに残響時間は異なります。ふつうは500Hzの残響時間で代表させますが、ホールの特性としては各周波数で同じくらいの残響時間であることが理想とされています。低音の響きばかりが長いと、こもった感じとなり、ブーミーであると酷評されます。
オーケストラなどのクラッシック音楽の演奏では、最近は長めの響きが好まれますが、もちろん長ければよい訳でもありません。3秒を超えると明瞭度が下がり、人の声や旋律などがはっきり聞き取れなくなる恐れがあります。
古い体育館などでは、窓などを締め切ると、5秒~6秒の残響時間が計測されるときがあります。この状態では人の話はよく聞き取れません。もちろん、音楽の演奏もモコモコになってしまいます。
オーケストラ教室を体育館で行なうとき、窓を開けておくのは、熱さ対策もありますが、この響きの調節にも必要なことなのです。開けた状態の窓は吸音率100%の吸音材と同じですから。
話が長くなりましたが、掲載の写真も、個人のお宅のサロンホールです。天井高さ5m!、間口7m! オーナー様の執念とも言えるこだわりと、セキスイハウスとのコラボにより生まれた究極の音楽サロンホールです。
<遮音と吸音>
よくこの二つが混同されて理解されている場合が多いようです。
遮音は、音を遮るために行なわれる行為(工事)で、硬く、重い材料で部屋などを囲います。
これに対して、吸音は音の響きをおさえる為に、柔らかく、軽い部材(ロックウールなど)を部屋に配置します。
よく、吸音材を部屋に貼れば防音が出来ると勘違いしている人がいますが、音は響かなくなりますが、遮音効果は全くありませんので防音にはなりません。
また、遮音さえすれば防音室になるといって、やたらと壁などを厚くし、防音ドアなどを設置する場合があります。結果、音は外にもれませんが、音楽の演奏は不可能な部屋が出来上がります。そう、響き過ぎのうるさい部屋になってしまうのです。
結局、遮音と吸音をうまく組み合わせた部屋が、よい防音室となります。
写真は、その遮音も吸音もかなり綿密に計算する必要がある、録音スタジオのミキシングルームです。
<楽音と雑音>
聞いていて心地よいのが楽音で、いやなな音が雑音・・・
でいいような気がしますが、実はそのような音の分類はどこにも存在しません。だいたいが、楽音という言葉も使われることはないのです。
聞いていて心地よいか、不快かは個人の主観により大きく異なります。
ロック音楽の大音量も、ロックファンには魅惑の音楽に聞こえますし、弦楽四重奏の軽やかな演奏も、興味のない人には雑音になってしまう場合があります。
私たちが楽器を練習する場合、『いい音だから聞いてよ』 と思って演奏することはありますが、『雑音だします。』と思って演奏することはありませんね。でも、気をつけないと隣人に多大な苦痛を与えているかもしれないのです。
写真はカワイの防音室(ナサール・オーダータイプ)を設置したお部屋です。まわりに気兼することなくいつでも音楽を楽しめるっていいですね。
<暗騒音>
(あんそうおん)と読みます。
目的の音以外の、自然に聞こえてくる音(騒音)のことです。
家の外では、風の音、遠くの車の音など、静かだと思っていても昼間は40~50dBの暗騒音が測定されます。
音にはマスキング効果というものがあり、主に聞こえている音より小さな音は聞こえなくなります。
昼間は聞こえていなかった遠くの波の音や、高速道路の音が夜になると聞こえたりするのは、暗騒音が小さくなるからです。深夜、暗騒音は急激に小さくなり15~20dBになってしまいます。(シーンとしていますがゼロにはなりません)深夜はテレビの音が大きく聞こえるのもそのせいで、マンションなどでは気をつけないとテレビ音でも騒音として苦情になる場合があります。
深夜の楽器演奏が危険(クレームになりやすい)なのは、この暗騒音の減少の為です。
<フラッターエコー>
練習室、音楽ホールなどで問題になる音響障害の一つです。鳴き竜(なきりゅう)現象などとも呼ばれます。
音響設計されていない部屋などで、手をたたくと『ビョ、ヨ、ヨ、ヨーン』と不自然な響きとなる アレです。
原因は、平行な反射面(壁、天井、床)が、合わせ鏡の中の光のように、音を無限に反射させてしまう為です。(音は、すぐに減衰して消えていく為、無限には響きませんが。)
小さな練習室などでは、この障害を防ぐ為に吸音材を壁、天井に配置します。ちょっと前までは、有孔板といって、小さな穴をいくつも明けた板を壁面に配置する方法がよく採用されました。今でも使われますが、吸音する周波数帯が一部分に片寄ったりする為、音楽ホールなどではあまり使われなくなりました。さらに、最近の音楽専用ホールは、クラシック音楽演奏を意識して残響時間が長めに設計されることが多く、吸音材はステージの反対側(調整室側)周辺に配置されるだけ、という設計が多いようです。そこで、ホールの壁面、天井面は平行面を作らないよう、傾斜させたり、山形にしたりずいぶんとデコボコしたものになります。これは、音を拡散させて音響障害を作らないようにする工夫で、昔のホールでは装飾品や彫刻などもその役目を担っていたようです。
一般の家でも、引越し前のガラーンとした部屋では、音がビンビン響いていたのに、家具や本箱などを入れると気にならなくなるのも、この拡散効果が影響しています。
<マンションの生ドラム演奏>
『生ドラムスを思いっきり練習したいです。』という要望を聞くと、大抵の防音エンジニアは身構えます。
しかも、マンションで夜中まで練習したい、などと聞くともう逃げ腰です。不可能とは言いませんが、限りなく不可能に近い要望です。
ドラムスのフルボリュームの演奏では、130dB近くの音量がでます。しかもバスドラムの低音を含んだ音です。
郊外の一戸建てに引っ越すことをおすすめするか、生ドラム演奏はあきらめてもらえないか話してみます。
遮音性能は、もとの音をどのくらい減少させることが出来るかの尺度で,dB(デシベル)で表示されます。ピアノや管楽器用防音室の一般的な遮音性能は35dB程度です。マンションで、深夜にドラムスを練習する為には、70dB以上の遮音性能が必要になりますが、それを実現させる為には、壁や天井の厚さは1M以上になってしまいます。また重量も何トンというレベルになります。だから「できません」と言う防音屋を無能呼ばわりしないで下さい。「できますよ!」と言う業者より、正直者なのですから。
<窓(サッシ)の防音>
普通の家(部屋)で音を出した場合、外部に対して最も遮音性能の弱い部分は窓となります。
小さな「防音BOX」を入れる場合は、窓無しでもよいのですが、部屋全体を防音する場合に窓を無くしてしまうのは、居住性からも法規的にも問題があります。昼間でも照明をつけないと真っ暗な部屋となるからです。(録音スタジオはそうなっていますが、これは特別な場合です。)
さて、最近普通の家でもよく使われるペアガラス(復層ガラス)。これを二重ガラスと称して防音室に使い、窓はこれでOK!と説明する工務店がたまにいますが、マチガイです。ペアガラス(3+6+3など)は、内側に結露しなくなるなど断熱性は非常に優れていますが、遮音性は同じ重さの単板ガラスと変わらない、あるいは周波数によっては劣ります。
防音屋が二重サッシと呼ぶのは、ガラスとガラスの間隔を5cm以上離した場合です。具体的には、和室の内障子のようにもう一重(あるいは二重)内側にサッシを設置するインナーサッシです。この場合、ガラス障子を2回開けないと窓は開きません。これでも遮音性能は30~35dB(500Hz)程度ですので、実はまだよく聞こえます。ピアノの防音室などでは、もう一重サッシを追加し三重サッシにするのが普通に行なわれます。
写真は出窓の内側に二重サッシを加え3重サッシにした例です。内側にカーテン、花瓶が置けるくらいガラスとガラスの間隔がとれるため驚くほど音はよく止まります。
<ベース弾きは天敵?>
防音屋にとって、ベース弾きは天敵の仲間に入ります。
もちろん個人的に苦手なベース弾きがいると言う訳ではありません。ベース弾きはみなさんいい人ばかりです。
問題となるのは、その楽器から出る音の性質です。そう、低音が苦手なのです。
防音屋の世界では絶対的な法則として知られている『質量則』というものがあります。遮音壁などにより遮られる音の量(透過損失)は、その壁の重さ(面密度)と音の周波数の積(掛け算)に比例するというものです。(ちょっと、難しすぎますね。)
結論だけ言いますと、低い音(低い周波数の音)は、高い音に比べて簡単に壁などを通りぬけてしまうのです。もっと、簡単に言いますと、遮音すべき音が1オクターブ下の低い音になった場合、壁の重さを2倍にしないと遮音量が同じにならないということです。2オクターブ下では4倍の重さの壁が・・・
これが、防音屋にとってベース弾きは天敵,の理由です。(同じ理由で、低い音の出る和太鼓も苦手です。)
<音の大きさについて>
音の大きさは、前にも書きましたが dB(デシベル)で表示し、正式には音圧レベル何dB と言います。
ちょっと前までは、(ホーン)と呼ばれていた数字と実は同じです。『この交差点の騒音は80ホーン』 とか言われていました。。人の話し声は、50~60dB ピアノの演奏は、80~90dB オーケストラの演奏は 80~100dB などです。
以前、ロックバンドの練習室に入って、音量を測定したことがありましたが、130dB出ていたことがありました。電車のガード下
以上の音量です。長時間、聞いていると間違いなく難聴になってしまいます。ちなみに、そのバンドのメンバーはちゃんと耳栓をして(??)練習をしていました。体で音を感じているということでした。
写真は、精密騒音計メーカーのB&Kさんからもらった、「音度計」というポスターです。音の大きさと、圧力エネルギーとの関係が判るので掲載してみました。ちなみにジェット機の騒音が 圧力の単位では1hPa(1ヘクトパスカル)ということで、大気圧の1/1000という小さな値になります。ちょっと意外な感じがしますね。
<光るチャイム>
防音室は、外への音をカットすると同時に、外からの音もカットします。そのため、練習に集中していると来客が気づかないことも。。
その対策として取り付けたのが、写真のドアと換気扇の間にある丸い物。これが玄関チャイムと連動してフラッシュして光リ、来客を知らせてくれます。
<響きの改善事例>
愛知県にある喫茶店です。
写真館を営まれていたオーナー様。
ピアニストのお嬢さんのために、2階のフォトスタジオをピアノ生演奏の聴けるおしゃれな喫茶店に改装されました。
天井にある金属フレームに当時の面影が残されています。
ただ、そこに一つ問題が!
響きすぎたのです。
天井が高く、よく響くのですが「過ぎたるは及ばざるがごとし」。カワイの調律士に相談頂いたことで、音の救急士の登場となりました。
壁に吊るされている縦長のもの、これがナサール ユニットタイプにも使用している吸音パネルです。これにより、残響過多の問題を解決することができ、喜んでいただきました。この吸音パネルは単品でも販売しております。