ピアノ調律師はちょっと掃除機にうるさいのです。少なくとも私は・・・。
なぜかと申しますと、ピアノの中は妙にほこりっぽくて、それが故障の原因にならないよう、
多くのお家では調律が終わったらこう叫びます。
「奥さーん、掃除機貸してくださーい!!」
数回訪問すると、お伺いした時にすでにピアノの横にチンと掃除機が待っているようになります。
中には、私が「奥さーん!」と叫ぶのはわかっているけど、
いかにも「掃除をして下さい」というように先に置いておくのは失礼かな
と気を使ってあえて出してない方もおられますが、叫ぶとすぐ出せるようにちゃんと廊下にそっと置いてあったりして、
「お気を使わせてごめんなさい」といつも心の中で思っています。
掃除機はいろんなメーカーがあって面白いんですよ。
調律師になりたてのころはまだ200Wぐらいが主流でしたが、
今は500Wを超えるハイパワーの掃除機も多く、掃除機の歴史から時代の流れを感じます。
でも、「うちの掃除機は古くって恥ずかしい」と言いながら持ってきて下さる
あちこちテープで補強したつぎはぎだらけの掃除機でもちゃんと事足りますし、
かえってここの奥様は物を大切に使ってらっしゃるんだなぁと感心しています。
掃除機のホースはいつも一番短いところで外して使いますが、いつも不思議に思うことがあります。
「先っちょ、いります?」
と奥様は聞かれます。
”先っちょ”って、あの先が細くなって窓のサッシのほこりを取ったりする時に威力を発揮するやつですよね。
今まであんまり正式名称で聞いたことがありません。
正式にはやはり ”ノズル” って言うんですよね。
でもこれは英語だから、日本語はやっぱり ”先っちょ” でいいのかなぁ・・・。