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 心の窓メルマガ版 13 「ありがとうと言われる生き方」  
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「ありがとうと言われる生き方」

私の尊敬する社長さんのお話です。このメルマガでは基本的に個人名はださないことにしていますのでN社長とでもしておきましょう。

この会社は1999年の創業以来、創業3年目から会社の売上の中から社会貢献として寄付しています。また社員やそこにかかわる代理店もその理念に賛同して、世の中の弱者と言われる人々や団体に全員参加型の社会貢献をやっています。

創業7年目には、4億円にも達する寄付を行っています。会社というのはアメリカ的にいいますと株主のためなのでしょうが、私は社会に貢献するための存在でないといけないと考えています。当然従業員やそこに関わる代理店などを幸せにし、さらに商品を購入されたお客様の喜びなくしては会社の存続はありえないと思います。しかし、それを実際に実践し、利益を出して税金を払い、さらに見返りを求めない多額の寄付までしている会社というのは、なかなかありません。

N社長が、寄付先の児童養護施設で講演をすることになりました。その養護施設は、0歳から18歳まで200名ほどの子供たちを育てている施設です。N社長がその施設で講演をする際、園長先生がこう言ったそうです。

「子供たちは、一番愛情をそそいで欲しい親と別れて暮らしています。心に傷を負っています。今までいろいろな方が講演にこられましたが、ガヤガヤとまともに聞いていません。どうぞこらえてくださいね」

N社長は、いいですよと答え、そして講演が始まりました。そして社長がある言葉を発したとたん、子供たちは一瞬シーンと静かになりました。社長はこういったのです。

「君たちは幸せじゃないか。自分は一番愛して欲しい親がいなくなった。世界一不幸だ、と思っているだろう。さきほど、園内を見て回ったけど、食堂ではおいしそうなハンバーグを焼いていたよ。君たちの今日の夕食はハンバーグなんだね。でも、世界中には1杯の牛乳を飲めずに死んでいく子供たちもたくさんいるんだよ。
今日は台風で大雨が降っているね。世界中には、家も屋根もなく橋の下で住んでいる子供たちもいるんだよ。
君たちは親に代わって育ててくれているボランティアの職員さんがいるんだね。世界には、一人で生きているこどもたちもたくさんいるんだよ。

君たちは、どうして「ありがとう」と言わないんだい?
“ご飯が食べられてありがとう”
“屋根があってありがとう”
“職員さんありがとう”

君たちが毎日毎日「ありがとう」と言って大きくなれば、大人になったとき、回りから「ありがとう」といわれる人間になるんだよ。ありがとうといわれる立派な人間になって、みんなで協力しあって、この施設を助けるんだよ。

建物がボロボロですきま風で冬は寒いだろう。不景気で寄付が減って建て替えもできない、と言う前に、ここの卒業生はたくさんいるんだろう?
企業の寄付を当てにしないで、自分たちで何ができるのか、を考えなさい。もちろんおじさんもこれからも協力していくけど、自分たちには何ができるのか、よく考えるんだよ。」

こういって、講演が終りました。子供はその大人が本物かどうかを見抜く力を持っています。高学年の女の子たちは泣き出して、社長が帰るとき、「おじさんまたきてね!」と雨の中を手を振って見送ったそうです。

そして、なんと子供たちは立ち上がりました。自分たちでチャリティーコンサートを開いて、それを施設の建て替え費用の一部に当てたのです。私は、ケーナという笛をもって賛助出演もしましたが、そのコンサートでは、子供たちの賛美歌や演劇がありました。

学校の学芸会などでは、ふつう子供の演技には照れなどがあったりしますが、ここでの子供たちの表情は真剣そのもの。“今を生きる”をいうことを実践しているんです。つまり、今自分に与えられた役割を一生懸命にこなす、ということをしてるんです。スポットライトがあたった子供たちの目はキラキラと輝いています。そんな姿をみて、私は涙が止まりませんでした。

そしてついに、この施設の建物の建て替え工事が始まりました。わずかな金額であっても施設の役に立ったんだという自信と誇りを子供たちは感じたことでしょう。大人のたった一言が、子供の心を変えるのです。私はこの社長は立派な経営者でありながら、素晴らしい教育者ではないかと思っています。

次回は、その子供たちが書いた作文をご紹介しましょう。いろいろな葛藤のなかで子供たちは何かを学んでいるのです。

ぴあの屋ドットコム 石山

ご感想をいただきました

Bさん:
月並みな表現だけど、立派な社長さんと思います。
会社を黒字で経営する中で、寄付をしていく陰徳積みを実践し、さらには施設の子供たちに対して「感謝すること」を理解させ彼らが自ら行動する布石を打った。
どこぞの「俺は社長だあ〜」なんていう人とは次元が違うように思います。
私も立場は違えど、以前から気になっているこれに似たあることを思い出しました。
人間て、自分のことって意外にわからないくせに、他人の事って本当に良く見えるし、つい、批判もしてしまいがちですよね。
今、社長でもなんでもないし、他人さまに何か教え諭すような人間でもないけど、今の自分に与えられている役割の中で精一杯向上させていけることができるようになりたいと改めて思いました。
それにしても、ぴあの屋まーちゃんさん、本当にしっくりくるいい話をいつもいつも、ありがとうございます。

Sさん:
社長というより神様に近い存在ですね。
どんな状況であれ、「幸せ」と思えることは
すばらしいことだと思います。
それに応えた子供たちも素晴らしい
納税日本一のある方もこんなお話をされました。
「ありがとうは、ある日突然通じなくなるんだよ。
たとえば、寝ている赤ちゃんが、ハイハイを始めたら
親は嬉しくてよろこぶよね。
でも、30歳超えてまだハイハイをしていたら・・・?
ありがとう、ありがとう、っていうのは
当たり前のことなの。そのあたりまえのことを
いつまでもやっていたら、だめなの。
その次は、ありがとう、といわれる人にならないとだめなの」
ありがとうといわれる生き方をするために
人は生まれてきたんですからね

Oさん:
子ども達が自分達で動いて現状を変えていったのですね?
感動しました。
またこの社長さんのように、今ある現実に感謝できる人になりたいなぁと思いました。日常にどっぷり浸かっていると、意外に恵まれていることに気づかないことがありますね。
社長さんのようになれるように、心がけたいです。

Aさん:
泣き虫なので、読みながら涙です。30才の息子に転送しました。知り合いにも転送させて頂きます。有難うございました。



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